コーヒーカップオーケストラ『マイホームマイホテルマイパートナーハネムーン』を観たので、
自分メモとして、感想を書く。自分メモだから、観てない人には何の事やら分かりません。


最前列だったためかノッケからのハイパワーとハイテンポにうっかり気持ちが吹き飛ばされそうになってしまったが、その風圧に負けじと踏ん張ってみると、その設定と途切れぬ展開に興味は惹き付けられ続けた。

夏の海辺の個人経営ホテル。そこに一見「幸せそうな」カップル達や家族が入り交じるも、やがてそれぞれの「幸せではない」過去や不安や実体が明らかとなる。そしてそれらが互いに巻き込まれ合い入り乱れつつ、やがてそれぞれの場所にまた戻っていく。
それは台風のようだった。序盤の強風がやがて暴風に。事態が吹き荒れている間、その登場人物たちは、その雨風に翻弄されるしかない。風に逆らう者、風に飛ばされる者、悲鳴を上げる者、びしょ濡れになる者、雨宿りする者、色々居るが、やがて台風は去る。川の氾濫や土砂崩れは起きるべくして起きたもので。台風も来るべくして来たもので。どれも誰のせいでもない。その後は、それぞれ片付けをし、日常に戻る。荒れ狂うも、爽やか。とても爽やかな芝居だった。

個人的には、その興味惹かれ続ける早い展開はそのパワーある演技もあって、うっかりするとあっという間に右から左に吹き去って、捉えきれなくなりそうだった。台風の間、風にしなり続ける木の幹に抱きつきながら、観ていたような感じがする。充分に聞こえるサイズの劇場なれど声の大きさや動きの大きさが半端ないのも、なんだか台風感を高めた。でもそれは別に不快なものではなかった。
なんだかとても、懐かしい感じがした。熱い芝居の香り、夏の台風の香り。それはやけに、懐かしかった。