団長日記

都内劇場に暗躍する喜劇団「げんこつ団」団長の日記

2014年07月

映画メモ

5月中旬あたりから6月中旬くらいまでの映画DVDメモ。
前に観たやつ、昔好きだったけど今は嫌いなやつ、
今もそこそこ好きなやつを、諸々見直す事が多かった時期。
少々忙しく選び方が雑。
6月下旬からはバタバタしていてあんまり観れてなくてつまらん。

こん中では「バティニョールおじさん」が良かった。
基本的には普通の人が普通の感覚で普通の事をしていく映画が好きだ。
それが時代的に社会的に普通じゃない事であっても。
人は良くも悪くも普通に生きるしかないのだし。

あと自分はやっぱりコメディが好きだと再確認。
「軽いコメディの要素を取り入れてはいるものの、
 鋭い風刺に満ちており、深い悲劇を描いた作品。」
例えば、作品に対する良い評価に、よくこんな文句が出てくるが。
「軽い悲劇の要素を取り入れいれてはいるものの、
 鋭い風刺に満ちており、深いコメディを描いた作品。」
本当は、そういうのが、観たいなあ。

「ミッドナイト・イン・パリ」「ブリキの太鼓」「バティニョールおじさん」
「ホルテンさんのはじめての冒険」「朝食、昼食、そして夕食」「地下鉄のザジ」
「シェフ!」「マッシュ」「ザ・フロント」「オーケストラ!」「銀河」
「Dear Wendy」「ワン・デイ・イン・ヨーロッパ」「リターン・トゥ・マイ・ラブ」
「スリーパー」「ブルジョワジーの密かな愉しみ」「オーケストラ・リハーサル」
「ヤギと男と男と壁と」「40歳の童貞男」「危険な結婚」「ルナシー」
「ジンジャーとフレッド」「摩天楼を夢みて」「知らなすぎた男」「地球、最後の男」
「ファウスト」「オテサーネク」「フィリップ、きみを愛してる!」「おとなのけんか」
「Dear フランキー」「12モンキーズ」「Dr.パルナサスの鏡」「バロン」「E.T.」
「キック・アス」「モンスター上司」「オペラ座の怪人」「オー!ゴット」
「バトルシティ2033」「ジャバウォッキー(シュヴァンクマイエル)」「ウィークエンド」


名前。

そうそう、2014年7月から、名前を変えた。

活動開始当初からペンネームが欲しかったが、
「名前なんかどーでもいー」と思っていたから、
そのまんまにしてきた。

ふと今年に入ってからやっぱり欲しくなり、
「名前なんかどーでもいー」と思って、
急につけた。

これよりアタクシの名は、
「一十口 裏 (イトグチ ウラ)」。
特に意味などない。

苗字の「吉田」の「吉」を、「一」と「十」と「口」に分解。
名前の「衣里」を、「裏」に集約。
苗字の「吉田」の「田」は、「裏」に収納。
で。「一十口 裏」だ。

もともと吉田さんと言われようが衣里さんと言われようが、
「は?誰のことですか?」と、なったオレです。
どう呼ばれようがそうなのだから、どう呼ばれてもいいのです。

ただ便宜上、名前は必要だし。
とりあえずここにイトグチさん誕生。

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猫。

無駄に長文だが、書く事で気が済むから書く。
誰に向けるわけでもないが、気を済ますために書く。

2014年6月25日に長年を共にした猫が亡くなった。
猫と呼ぶ事に強い違和感を覚えるほど猫らしくない猫だった。
子供の頃からなんやかんやと色々な猫と共に暮らしてきた私でさえ、
その猫らしからぬ性格や挙動にときどき戸惑うほどだった。
産まれてすぐに写真のモデルとして親兄弟から引き離され、
その後は優しい老夫婦によって少々甘やかされて育ったらしい。
今の私の家からも近いであろう近所の薮を走り回って育ったらしい。
自由奔放で我侭で、ヤンチャが手に余るという事で貰い手を探したらしい。
それでたまたま、ウチに来た。

ほんとうに色々と、変な奴だった。
多分、自分の事を猫だとは夢にも思っていなかっただろう。
まず常に仁王立ちだ。猫らしいしなやかさはまるでない。
鳴き声は「ニャー」ではなく、基本、「ウン」。しかもうなづく。
拒絶の際は「ウーン」。その声と喋り方としぐさは完全に人間的。
初めてウチに貰われて来た時には、部屋に下ろされるなり、
元々居た猫のトイレに我が物顔で入り、済ました顔で用を済ませた。
猫の癖にほんとうに猫が好きで、猫が居るとすぐに寄っていった。
しかし猫との接し方が分からず、途端に威嚇されてびびりまくった。
ウチに人が来ればちゃんと挨拶をした。驚くとダブルテイクした。
私を呼んでおいて無視。私の行く場所を先に横取り。
そして、さまざまな方法で私を驚かしておいて、その様子を見ていた。
休みの日にダラダラと寝ている私の枕の横に大きなウンチを置いて、
驚く様子を観察された事もあった。
多分、心の中で笑っていたのだろう。

すでにかなりの高齢であったが、非常に元気であった。
老猫のご多分に漏れず腎臓を悪くしていたが、
亡くなる前日まで老猫用の缶詰を文句を言いつつしっかり食べていたし、
糞尿の質も量もいつもと変わらなかった。
ただ、太らなくなっていた。かつては、むくむくだったのに。
年老いて太れないだけだろうと思っていたが。
筋力が落ちているし太らない方がいいのだろうと思っていたが。
まさか死期が近いとは、夢にも思わなかった。夢にも思えなかった。

その日、私が帰宅した際、彼女はいつものように玄関で私を出迎えた。
その後、ゆったりと床に寝転んだ彼女は、初めてお漏らしをしてしまった。
私は年齢によるものと思い、明日の朝一番に病院に連れていき、
検査をしてもらってから猫用おむつを用意しようかなどと、考えていた。
しかし彼女のお漏らしは止まらなかった。

それでも私は、明日病院へと思うにとどまった。
なにせそれ以外は、元気な様子だったから。
あの時すぐに病院に連れて行っていたら…と、何度も思った。
しかしそうしていたら、彼女は病院に行く途中か、或いは病院で、息絶えたろう。
或いはもっと前に、もっとちゃんと検査をしてもらっておけば…と、何度も思った。
しかしそうしていても、悪くなった腎臓は治ることはなく、
検査や透析などで何度も大嫌いな病院に通わなくてはならなかったろう。
すでに足腰はだいぶ弱っていた。それはかなり堪えたろう。

何度も何度も後悔し、何度も何度も冷静に考える。
何度も何度も泣き、何度も何度も仕方なかったと諦める。
慣れ親しんだ家で、いつものように。
これでよかったのだと、ようやく、思えるようになってきた。

その日、それでも私は、明日病院へと思うにとどまった。
なにせいつもと変わらず、元気な様子だったから。
しかし彼女は何度かお漏らしをしたあと、そのまま逝ってしまった。
いつもと同じように床に寝転んで、そのまま逝ってしまった。
私はよく、死んだように熟睡している彼女が生きてるか心配になって、
その度に彼女のお腹を確認していた。呼吸で動くのを確認していた。
そのお腹が、もう動いていなかった。

24時間受け付けている病院に駆け込んだがもうすっかり、亡くなっていた。
信じられないほど、あっけなく。
そっけなく。さりげなく。いさぎよく。すっぱりと。亡くなっていた。
お漏らし以外の急変はなかった。老衰だった。
また彼女に、驚かされた。最期まで、驚かされた。
予想外のタイミング。予期できぬ素早さと潔さ。お見事だ。
そうして驚いているその様子を、どこかからか観察された気がしてならない。
多分、心の中で笑いながら、観察していたんじゃないかと思う。

翌日、すべての予定をキャンセルして彼女と過ごした。
一時的に他所に預けた場合などでも、
常に家に居た猫が急に居なくなると、猫の幻覚をよくみるものだ。
今後しばらくはその幻影を見続けるのだなあと、思った。
元気に動き回る気配を、感じ続けるのだなあと、思った。
そう思いながら彼女を見ていたら、彼女の気配が右側から近づいてきた。
私はいつものように、「こっちおいで。」と心の中で呼びかけた。
そしたら彼女の気配は、いつものように、とことこと近づいてきた。
とことこと近づいてきてそのまま、私の身体の中に入ってきてしまった。
そして私の身体の左側まで来ると、いつものように尻尾をしまって丸くなった。
驚いた。

私は特に現実主義者ではないけれど比較的現実的な考え方をするタイプだ。
しかし、それきり部屋のどこにも、彼女の気配は感じられない。
幻影も見ない。幻聴も聞かない。見間違いや勘違いさえ一切ない。
そんなことはこれまでの経験上、有り得ない。
しかしまあ、別に何の損をするでもないし。別に誰が傷つくでもないし。
だったらあの時ほんとうに、私の中にちゃっかり入り込みやがったと思ってみても。
それはそれで、別にいいんじゃないか。

半分くらいそう思いながら、いつもは立ち寄らない公園に立ち寄った。
もし自分の中に居るなら、でっかい池を見せてやろうと思った。
もう自己満足でいいし。だからでっかい池を見せてやった。
なんとも気持ちの良い風景だ。どうだいすごいだろうと。
しかし完全に奴はそっぽを向いていた。
というか、真後ろを見ているような気配を感じた。
なのでふと振り向いたらば、雨に濡れた小汚い薮があった。そっちかい。

仕方なく、どろどろの土を踏んで薮に入る。
ふんふんと匂いを嗅ぐ気配。雨水を見つめる気配。
好奇心旺盛な気配を感じた。その気配自体は気のせいでも、
気配を感じている感覚は、本当だから仕方ない。
さて満足したかと思ったら、気配もすっと消えた気がした。

緑深い公園が気に入って、その場に留まったのかもしれない。
それならそれでいい。元々気のせいだし、どうでもいい。
どう思おうと自由だし、どう思おうと正解だし、どう思おうと間違いだ。
ただ、あの日以降初めて、爽やかな気分にはなった。

…ただその後、
街や道や建物や乗り物などのハッキリした夢しか見ない私が、
産まれて初めて、雪やアリや落ちたキャベツの欠片などの、
ひじょうにオボロゲでタドタドしい夢を見たことが、
ちょっとばかし気にかかるが。

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